祖母の思いとカルティエの腕時計

祖母の思いとカルティエの腕時計

今私が身に着けている腕時計は祖母からもらったものです。
飽き性の私がもう10年以上同じものを使っています。
祖母はあまり人から好かれるタイプの人ではありませんでした。
傲慢でわがまま。自分勝手でケチだから友達もいませんでした。

 

すぐに怒るので家族ともうまくいかず、家でも孤立していた存在だったと思います。
でも私はそんな祖母をどうしても嫌いにはなれませんでした。

 

私がまだ幼かった頃、祖母は私が泣くととても怒りました。
普通はなだめたりすると思うのですが、祖母は私にはとにかく強くなってほしいと思っていたせいか、
弱音をはいたり弱いところを見せるととても怒ったのです。
でも逆に強いところをみせるととても喜んで可愛がってくれたので、
他の大人と違うところが魅力的でもありました。

 

家族からも孤立し、特に何か買ってくれるわけでなかったケチな祖母でしたが
、ある時私は祖母から意外なプレゼントをもらいました。
カルティエの腕時計です。大学に合格して家を出ることになった私に、
あのケチな祖母が高級時計をプレゼントしてくれたのです。
これから大人へと成長してゆく私が安っぽい女性にならぬよう、
常に良いものを身に着けるようにという気持ちをこめて選んでくれたとのことでした。

 

私は今もこのカルティエの時計を身に着け、
祖母のおかげでどうにか強く気品のある女性を演じていられるように思います。